夕飯づくりで、いちばん時間がかかるのはどこでしょうか。焼く、煮る、炒める。実は、火を使う前の「洗う・皮をむく・切る」に、思った以上の時間がかかっていることが多いものです。
玉ねぎの皮をむいて、にんじんを細切りにして、キャベツをざく切りにして……。野菜を切り終えたころには、もう少し疲れている。そんな日もあるのではないでしょうか。
今日は、下ごしらえに時間がかかる理由と、下ごしらえを短くするコツをお伝えします。結論から言うと、下ごしらえの時短のカギは、「包丁とまな板を使わなくていい方法を、一つずつ増やしていく」ことです。包丁を出す回数が減るだけで、切る時間も、洗う時間も短くなります。
下ごしらえに時間がかかる3つの理由

1. どんな野菜も「包丁で切る」と決めている
料理を習ったとおりに、すべての野菜を包丁とまな板で切っていませんか。もちろん包丁は大切な道具ですが、包丁でなくても十分な場面は意外と多いものです。
2. 細かく、そろえて切ろうとしている
レシピの写真のように、同じ大きさにきれいにそろえて切ろうとすると、時間がかかります。家族で食べる毎日の料理なら、そこまでそろっていなくても、味はほとんど変わりません。
3. 料理のたびに、同じ野菜を何度も切っている
月曜日も玉ねぎを切って、水曜日も玉ねぎを切って。同じ野菜を料理のたびに一から切っていると、皮をむく、根を落とす、という同じ作業を何度も繰り返すことになります。
下ごしらえを短くする4つのコツ

1. 「キッチンばさみ」で切る
ねぎ、小松菜、ベーコン、鶏肉。キッチンばさみで、鍋やフライパンの上で直接切ると、まな板を出さずにすみます。特に肉は、まな板を洗う手間がなくなるので、時短の効果が大きくなります。はさみは、使ったらすぐに洗えるように、分解して洗えるものを選ぶと衛生的です。
2. 「ピーラー」と「手でちぎる」を使う
にんじんや大根は、ピーラーで薄くリボン状にけずれば、細切りよりずっと早く、火の通りも早くなります。キャベツやレタス、きのこ類は、手でちぎるだけでも十分です。手でちぎった断面は味がしみやすい、と言われることもあります。
3. 切る大きさは「ざっくり」でいい
毎日の料理では、大きさが多少ばらばらでも大丈夫です。気をつけたいのは、火の通りにくい根菜を小さめに、葉物を大きめにすることくらい。「きれいに」より「火が通る大きさ」を意識すると、切るスピードが上がります。
4. 同じ野菜は「一度にまとめて」切る
玉ねぎを1個使う日は、2個まとめて皮をむいて、切っておきます。皮をむく、根を落とす、まな板を洗う、といった作業が1回で済みます。切った分は保存容器に入れて冷蔵庫へ。2〜3日のうちに使い切るのを目安にしましょう。
まとめて切っておくと便利な野菜
まとめて切っておくと、平日の料理がぐっと楽になる野菜があります。
- 玉ねぎ:薄切りにしておけば、炒め物、スープ、みそ汁にすぐ使える
- にんじん:細切りや薄い輪切りにしておくと、炒め物や汁物に
- きのこ類:石づきを落としてほぐしておくと、そのまま加えるだけ
- ねぎ:小口切りにしておくと、薬味やみそ汁にさっと使える
切った野菜の保存期間は、野菜の種類や保存のしかたによって変わります。においや見た目がおかしいと感じたら使わないようにして、早めに使い切ることを心がけてください。
「カット済み」の食材も上手に使う
忙しい日には、スーパーのカット野菜や、冷凍のカット野菜を使うのもひとつの方法です。少し値段は上がることもありますが、洗う・切る・ごみを捨てる手間がまとめてなくなります。
「全部手作りでなければ」と思うと、料理は負担になってしまいます。時間を買うという考え方で、忙しい日だけ取り入れる。それくらいの気持ちで十分です。
まな板は「1枚を賢く使う」
包丁とまな板を使う日も、使い方の順番で洗う回数を減らせます。前の記事でもお話ししたように、乾いた野菜→水分の多い野菜→肉や魚の順に切ると、まな板を洗うのは最後の1回で済みます。
肉や魚を切るときは、まな板の上に牛乳パックを開いたものや、クッキングシートを敷いて切る方法もあります。使い終わったら捨てるだけなので、まな板を洗う手間が減らせます。
下ごしらえの道具は「手の届く場所」に
キッチンばさみやピーラーが、引き出しの奥にしまってあると、取り出すのが面倒で、つい包丁を使ってしまいます。よく使う下ごしらえの道具は、コンロや作業台のすぐそばに、立てて置いておきましょう。
手を伸ばせばすぐ届く場所にあるだけで、「はさみで切ろう」「ピーラーでけずろう」と自然に思えるようになります。道具は、使いやすい場所にあってこそ、時短の力を発揮してくれます。
子どもと一緒に下ごしらえ
手でちぎる、ピーラーでけずる、きのこをほぐす。包丁を使わない下ごしらえは、子どもにお願いしやすい作業でもあります。レタスをちぎる、ミニトマトのへたを取る、といった簡単なことから始めてみましょう。
ピーラーを使うときは、刃の向きと手の位置をはじめに一緒に確認しておくと安心です。自分で準備した野菜が入った料理は、子どもも食べるのを楽しみにしてくれます。
包丁は「よく切れる状態」に
包丁を使う日に時間がかかる理由のひとつが、包丁の切れ味です。切れない包丁では、トマトがつぶれたり、玉ねぎの繊維が切れずにつながったりして、何度も切り直すことになります。
月に1回ほど、簡単なシャープナーで研ぐだけでも、切れ味はかなり戻ります。よく切れる包丁は、少ない力で切れるので、手も疲れにくくなります。研ぎ方に不安がある場合は、お店の包丁研ぎサービスを利用するのもひとつの方法です。
「洗う」もまとめて済ませる
下ごしらえの時間には、切るだけでなく野菜を洗う時間も含まれます。料理のたびに一つずつ洗うのではなく、その日に使う野菜を、最初にまとめて洗うと、水を出したり止めたりする回数が減ります。ボウルに水をためて、葉物、根菜の順に洗っていくと、流れ作業でさっと終わります。
よくある質問
Q. キッチンばさみは衛生面が心配です。
使ったらすぐに洗って、よく乾かすことが大切です。刃が分解できるタイプなら、すみずみまで洗えるので安心です。肉や魚を切ったあとは、特にしっかり洗いましょう。
Q. 切っておいた玉ねぎのにおいが気になります。
ふたがしっかり閉まる保存容器に入れると、冷蔵庫ににおいが広がりにくくなります。保存袋の場合は、空気をよく抜いて口を閉じてください。
Q. 手でちぎると、見た目が悪くなりませんか?
炒め物やスープ、みそ汁など、毎日の料理なら気にならないことがほとんどです。お客さまが来る日など、見た目を整えたい日だけ包丁を使う、と分けてみてください。
Q. カット野菜は栄養が少ないと聞きました。
気になる場合は、毎日ではなく忙しい日だけ使う、ほかの料理で野菜をしっかりとる、など、全体のバランスで考えてみるのがおすすめです。
Q. 包丁を使うのが苦手です。
苦手なら、なおさらはさみ・ピーラー・手でちぎるを味方にしてみてください。包丁を使う場面が減ると、料理そのものへの苦手意識もやわらいでいきます。
まとめ:下ごしらえは「包丁を出さない」工夫から
- 時間がかかるのは、全部包丁で切る、きれいにそろえる、同じ野菜を何度も切るから
- キッチンばさみで、鍋やフライパンの上で直接切る
- ピーラーでけずる、手でちぎる
- 大きさはざっくりでいい、同じ野菜はまとめて切る
- 忙しい日はカット野菜も上手に使う
今日の夕飯では、一つの食材だけ、包丁ではなくキッチンばさみで切ってみてください。まな板を洗う手間が一つ減るだけで、台所が少し軽く感じられますよ。
